せっかく引越したのに、音がうるさくて寝れない。その騒音を学び、引越し先の騒音と防音対策についてご説明します。防音・遮音については、立地環境と建物の構造に大きく左右されます。いくら対策を取っても、無音(人間の耳では聞こえない)に近い状態を作ることは、残念ですが困難だと考えなければなりません。ただし、無音状態は難しくても、騒音の大きさを小さくすることは可能だと言われています。
住まいの音は、空気の振動で伝わる音と固体から伝わる音の2種類があります。引越し先の騒音は、どちらの音に当てはまるか確認をして対策をしましょう。
空気振動 | 固体振動 | |
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特徴 | 空気の振動によって伝わる音です。人の話し声や車や電車などの建物の外からの騒音は、空気の振動によって伝達されます。 | 壁や床などの固体の振動によって伝わる音です。階段を歩く音や上の階の人が水を使ったりする音などは、固体が振動して伝達されます。 |
人の話し声や車の走る音から遮音するには、簡単に言えば、家の中と外との空気の通り道を塞ぐことになります。言うのは簡単ですが、実際に空気の道を塞ぐことは、簡単ではありません。窓の隙間や建物の壁と天井の隙間や換気口など、建物には沢山の空気の通り道が存在します。
特に換気口は、室内の湿度がたまりカビなどから家を守るために、計算して空気の通り道として作っているものです。その空気の通り道を塞ぐことは、お勧め出来ません。確かに換気口からも空気振動はありますが、建物の外からの騒音は、多くは窓の隙間の空気振動が大きく影響しています。
固体振動に対する遮音については、建物自体に対策を図ることが抜本的な防音、遮音対策となります。すなわち、上の階の人が水を使う音や歩く音がうるさいかどうかは、引越す前に確認しておく必要があります。新築の場合には、上のフロアを歩いてもらったり、水を流してもらい、音の伝わりを事前に確認しておくことをお勧めします。
幹線道路や鉄道が近くに住む場合には、両方が影響することがあります。トラックや電車が走ったときに建物が揺れる場合は、地盤または建物自体が揺れている可能性があります。この場合には、固体振動と空気振動の両方の騒音を受けることになります。特に建物の揺れの場合には、対策を取ることは最も難しく、大きい車が通る度に日中、夜間を問わず揺れる可能性があります。引越しをする前に調べておかないと、快適な生活を送ることが難しくなります。